■ 2016 小さな旅 9 ■
■2016.12.6
朝目が覚めて、列車に飛び乗り、日帰りで雪の舞う青森・秋田県立美術館を巡ってきました。想像力の山を登り、海を駆け抜ける旅でした。そして本物のコーヒー(秋田NAGAHAM珈琲)に出会ってきました。
①8:06 仙台 はやぶさ1号 9:50 新青森
②12:42 青森 津軽4号 15:27 秋田
③17:10 秋田 こまち32号 19:29 仙台
■青森のアーティストたちの原風景・芸術風土に触れてみたい!
青森県立美術館は、隣の「三内丸山縄文遺跡」の発掘現場から着想を得て、設計されました。発掘現場のトレンチ(壕)のように、地面が幾何学的に切り込まれています。その上から白く塗装された煉瓦の量塊が覆いかぶさっています。上の量塊の下の面も、凹凸を見せています。土の上向きの凹凸と量塊の下向きの凹凸が、まるで並びの悪い歯列かのように、気ままに、隙間を持ちながら噛み合わされています。これがこの建築の基本構成です。こうしてこの美術館は、古今東西まったく存在したことがなかった展示空間を獲得することになりました。それは、量塊のなかに設けられた真っ白な「ホワイトキューブ」の展示室隙間と土の床や壁が露出する隙間の「土」の展示室が、対立しながらも共存する強度の高い空間です。そこで展覧会が催され、土の床や壁はその度ごとに部分的に壊され補修されていきます。年を経て、やがてパッチワークのような味が滲み出していく美術館・建築でした。
1936(昭和11)年に青森市に生まれた澤田教一は、1965年、戦火の絶えないインドシナ半島に赴き、カメラマンとして活躍しました。ベトナム戦争が拡大の一途にあった時期、激戦地での撮影を続けた澤田は、34歳で銃弾に倒れるまでの約5年間に、数々の傑作を世に出し、報道写真界の頂点に上りつめます。ピュリツァー賞受賞作に含まれる《安全への逃避》(1965年)では、戦闘で故郷を追われながら、必死に生き抜こうとするベトナムの人々の姿を捉え、世界中に戦争の過酷な現実を突きつけました。澤田教一夫人の澤田サタ氏から、2014年度より、フィルムや電送写真原稿など、多くの資料を寄託されました。この展覧会では、それらの調査に基づき、未発表のカットを含む写真や資料300点余りを展示いたします。写真に写し出された故郷と戦場、そこに交錯する生と死を通じて、澤田教一が身を賭して追いかけたものにせまります。
■水庭越しに見える千秋公園の美しい風景が楽しめます!
秋田県立美術館は、幅20m余にも及ぶ「秋田の行事」をはじめとする公益財団法人平野政吉美術財団の所蔵する作品の展示をメインとしながら、秋田市の中心市街地にある千秋公園を望む地といった特徴を活かし、「ここにしかない魅力のある美術館」をコンセプトに設計されました。また、旧県立美術館の持つ最大の特徴であり県民の皆様の心に溶け込んでいる三角形屋根に呼応するように、三角形をモチーフとしたデザインになっています。設計者は、独学で建築を学び、プリツカー賞、文化勲章など数多くの賞を受賞し、国内はもとより海外からも高い評価を得ている安藤忠雄です。壁の支えや柱のない螺旋階段、水庭越しに千秋公園の美しい風景を存分に楽しむことが出来る解放感あるラウンジ空間、そして美術館と街とをつなぐ大きな三角形吹抜けのエントランスホールなど新しい県立美術館にはたくさんの見どころがあり、いついっても落ち着く癒しの場にもなっています。
企画展では直感から生まれた線の方が的確にして無限に深い」「すべて一切のものを念頭より忘れ、流れ出づる最初の清き線がもっとも真実のもの」──藤田嗣治が随筆にこう記し、鋭い感性で描いた線は息づくように豊かな表情をみせます。
本展では、群像大作制作のための人物デッサン、中南米の民衆のデッサン、平野政吉邸で描いた墨画などの藤田作品を展観し、あわせて、友人でもあったジャン・コクトーの日本滞在記『海龍』に寄せた挿画を紹介します。
対象の核心に迫り、画面にいのちを与える、藤田の線の魅力が満載でした。
■挑戦と進化し続ける秋田NAGAHAMA COFFEE!
直火式と半熱風式の焙煎機で始めたコーヒーの焙煎。
焙煎したてのコーヒーの美味しさをお客様に伝えることを目的にした焙煎。
いかに雑味のないコーヒーに仕上げるか。
いかに同じ味、安定した味を作るか。
当時まだスペシャルティコーヒーなどない時代、我々に課されたのはこの焙煎だった。
スペシャルティコーヒーとの出会い。
初めて飲んだ高品質なコーヒーに感動し、どうすればこんな美味しいコーヒーになるんだ?
いかにコーヒー本来の甘さを引き出すか。
いかに滑らかな質感に仕上げるか。
豊かなコーヒー感を出すための焙煎への挑戦。
新たな熱風式焙煎機との出会い。
焙煎機の違いによる味の違い。
風味特性の出方の違い、酸味特性の違い、粘度の違い、焙煎後の劣化速度の違いなど。
熱風式と半熱風式、お互いの特性を活かした味の構築を目指した焙煎。
またナガハマコーヒーの新たな挑戦と進化は続いてゆく。