
■2025 活動日誌7月■
季節の日々の移ろい、自然の中で感じたこと、後世へ伝えたいことなどを思ったままに綴りました。皆さんのコメントをお寄せください。

2025年7月14日 小雨
図書館は涼み場としては最高である!

冷房のない時代、風鈴だけでなく、青すだれに金魚鉢…。暑くとも目や耳で涼味に浸る。自然と共存する知恵でもあった。こちら東北はまだ梅雨ではあるが、猛暑が続いている。街場にいると目や耳は季節を感じ取るどころか、エアコンのきいた涼み場はどこかと、そればかり探している。趣味の世界の中でお世話になることの多い図書館も、心なしか普段よりにぎわっているように見える。図書館があり、蔵書の多い自治体ほど介護が必要な高齢者が少ないといわれている。新聞をみていると慶応大と京都大の調査では住民1人につき図書館の本が1冊増えると、高齢者の要介護リスクは4%減少、10冊増えると34%減ったという。財政難で苦しい図書館だが、涼ばかりか健康長寿まで提供してくれているようである。今年はもう1年の折り返しを過ぎた。これから本格的な夏本番に突入する。川崎の家の周りの田んぼや畑は青い苗と草に覆われている。涼やかな気持ちと草刈りの重労働が頭をよぎる。労働のあとは、ひととき疲れた身体を休めに近場の図書館へ足を運ぶのが最近の日課になっている。忘れかけた五感を取り戻すヒントが書物の世界にあるかもしれない。
2025年7月9日 曇り
暑い夏を迎え、山への思いは強くなる!

富士山の山開きを迎えた。標高3776メートル。日本一の山は甘くないが、軽装や「弾丸登山」といった登山客が増え、昨年、入山料や時間、人数規制などが設けられた。東日本大震災復興の力にしてもらおうと、被災した東北の高校生と富士山に登るプロジェクトを始めた人がいる。福島県出身の田部井淳子さん(1939~2016年)である。田部井さんは1975年、女性として世界で初めて、世界最高峰のエベレスト登頂に成功した登山家として知られる。今年はその偉業から50年の節目。吉永小百合さんの主演で映画化され、今秋公開予定だという。田部井さんはエベレスト登頂に際し、キャンプ地で雪崩に遭い、死を覚悟した。それでも計画続行を主張。登頂者として名を残しても「たまたま最後のアタック者に選ばれただけ」と謙遜する。登山は頂上が見えてからが厳しい。技術だけでなく勇気が必要だ。その勇気も蛮勇であってはならない。探検家のアムンゼンに「準備10年成功5分」という言葉がある。田部井さんも「登山はふもとのキャンプ地に着くまでが成功の8割を占める」という趣旨の言葉を残している。逆に言えば、才能や実力があっても準備を怠れば好結果にはつながらないというではないだろうか。一歩一歩に思いを込める。登山だけでなく人生にも求められる姿勢だと思う。